ビルの地下に降りるとぱぁっと明るいパン屋さんが。種類豊富なパン、ケーキ、焼き菓子が並んでいます。でもオススメなのはいろんなパンの元になっている、シンプルなパンなのだそう。 そして一番素敵なのは、そこで働く皆さんがあたたかい気持ちで迎えてくれること。何度も通いたくなるパン屋さん『コムシノワ』の製造長、城間さんのはなし。

Q.パン屋になった理由は何ですか?

僕はもともと自分が食べるっていうよりも、作ったりして楽しませることの方が好きなんです。食べるのもいいんだけど、見て楽しむのもいい、そういうパン作りをしたいなあという想いがありました。

Q.どういう想いでパンを届けていますか?

1品1品がコムシノワの象徴だから、お客様に商品をきちんと届けることが全てになってくると思います。僕が窯から出した後、焦げてないかなどを確認して、そのあと陳列するときにもおかしくないか確認してもらってるんです。やっぱりそこは販売の人も販売でいながらもパン作りの一部になっていると思います。お互いのフォローが大切になってくるんです。

やっぱり店に並ぶパンはどれを買ってもお客様が「おかしいな。」って思うことがないように、きちんと作っています。そこは妥協しないように意識してますね。技術ももちろん大事だけど、一番大切なのは気持ちだと思います。

Q.コムシノワのこれからは?

商品って、お客様が買ってくださって、おうちに帰って、食べ終わったところ、そこまでいってはじめて商品が完成するのだと思います。あと、割と種類の多いパン屋さんとなると、見た目が華やかなパン、例えばクリームが乗っかってるとか、イチゴが乗っかってるとか、そういうパンも楽しみの1つとしてあって、あったほうがお客さんも嬉しいなと思ったり、作る側も華やかでいいなと思います。でもいろんなものをトッピングしたりドライフルーツを混ぜ込んでないパン、つまりベースの生地の部分をゆくゆくは味わってほしいなって思うんです。僕らはあくまで提案者にすぎないから、文化っていうと大げさだけど、『食の展開の提案』をしているつもりです。フランスパンにチーズを入れたパンももちろん美味しいんだけど、次はバケットに美味しいチーズ屋さんのチーズを自分で使ったり…。こういう食べ方どう?と提案することで次はお客様が自分でアレンジしていけたら楽しいかな。そこが狙いです。「あ、この混ぜ込んでるパンがおいしかった。じゃあこのもとになるバゲットや食パンを次は買おう。」って思ってもらいたいです。どうだ、パン屋で作ったパンってすごいだろ、じゃなくて もっとオープンにして垣根を低くしたいです。パン作りってそういうもんだよっていうのを伝えていきたいなと思ってます。これは1年2年でできることじゃない、もしかしたら一生の仕事の課題かなって思いますね。

神戸といえばパン激選区。数あるパン屋さんの中からコムシノワを選んだきっかけは神大生に教えてもらったからでした。あたたかみのある雰囲気で、働いているすべての人がこだわりや想いをもってるパン屋さんでした。大学を出たからパン修行歴が少ない。それでもまじめにコツコツやってこられて製造長になったからこそ、素敵なお話をしてくださるのだと感じました。パンの種類がとにかく豊富だから何度でも楽しめる、神戸の自慢のパン屋さんです。

神戸市中央区御幸通7-1-16
三宮ビル南館地下

8:00~19:00
(水曜定休日)

078-242-1506